退去費用

不動産

【賃貸の退去費用を安くする!】原状回復の定義を知れば過剰請求も防げます

2020-10-09

読者の質問

部屋を出るとき退去立会をして退去費用の精算しますと言われました。
退去費用について詳しく教えてほしい!

こういった質問にお答えします

 

筆者は建築関連で20年働いた後不動産会社で4年勤務
宅地建物取引士であり自らの引越も12回経験あり

この経験を生かして執筆しています

 

 

退去費用について

 

退去費用とは?

部屋を修繕する原状回復費用と、専門業者を使ってクリーニングするハウスクリーニング費用を合わせて「退去費用」とします

「原状回復費用」「ハウスクリーニング費用」の詳細は次の項目で説明します

 


 

退去費用と原状回復費用は何が違うか?

 

ほぼ同じ意味で使われていますが

原状回復費用とは入居時の状態に戻すことですが厳密に言うと入居者が全額負担するわけではないので入居年数により支払いの%が変わってきます

ただし家賃の滞納などがある場合は原状回復費用にプラスして退去費用として請求となります

原状回復費≧退去費用ですね

 

退去費用は敷金で支払われる?

 

賃貸物件の退去費用は、基本的には入居時に預けた「敷金」で精算することが多いです

退去費用を支払っても敷金が残っている場合は、残額が返金されます

敷金で退去費用をまかなえなかった場合は、足りなかった分の金額が請求されます

また、入居時に敷金を預けていない「敷金なし」のゼロゼロ物件などに住んでいた場合は、全額を退去時に支払わなくてはならないため、請求額は高額になりやすいです

 

 

退去立会って何をするの?

 

退去立会とは管理会社と入居者が立会って、退去時に修復が必要な個所などを互いに確認することです

 

忘れ物や処分してもらうものなども一緒に確認します

最初に預かった鍵と自分で作った合鍵なども返却もこの時に行います

双方で確認することでお互いに証拠と出来る為、面倒ですが重要な事です

うやむやにしたままだと過大請求が来ても証拠がないので解決に時間がかかるし、とても気分を害しますよね

双方で確認しておけば汚れや傷の責任の所在がはっきりとします

※入居者側は最初からあった悪いところをこの時にしっかりと提示できるように入居時からしっかりと対策しておきましょう

入居時に気になるところをチェックシートで提出する管理会社もありますが、ない場合でも大きな悪い箇所があれば管理会社に連絡をしておいたり、自分で写メなどを残すことをおススメします

 

 

退去時の流れのまとめ

step
1
退去連絡

遅くても退去の1か月前までには管理会社に連絡します

1か月を切ってからだと翌月分の家賃が発生する契約になっていることが多いので注意しましょう

 

step
2
退去立会日時の決定

引越業者と時間を打合せの上、管理会社と日時を決めます

別の日だとその為に引越し先から足を運ばなくてはならないこともになるので退去立会は引越の日に行う事が多いです

後で見ておきますと言われることがあると思いますがトラブルを避けるためにも出来るだけ立会は行いましょう

 

step
3
退去立会

荷物をすべて出した状態での立会となります

双方で部屋のダメージや汚れ、傷などをチェックします

立会が終わった後にサインを求められることがありますが

全部費用を払うというサインではないことを確認しておきましょう

 

管理会社としては次の入居者を想定して修繕個所をすべて出します
双方での確認した事項をもとに精算書類を作成します
その中から大家に請求するものと入居者に請求するものに分けます

 

step
4
退去費用清算

立会の場では費用がすぐには出ないこともあるので後日請求となることが多いです

管理している会社によって制度がまちまちなので確認しておきましょう

請求金額が少なければ返金、多ければ支払になります

精算の方法は大方の場合は銀行振り込みで行われます

敷金を預けていれば、退去費用は敷金から差し引かれて余剰分があれば返還されます

しかし、預けている敷金よりも退去費用が高額になれば、不足分は別途請求となります

 

 

原状回復費用について

 

原状回復とは

 

広義では入居時の状態に戻すという事ですが賃貸部屋の退去時に入居者が行う原状回復とは「入居した時の状態に戻すこと」ではないため、経年劣化に関しては入居者が費用負担する必要はありません

原状回復費用は「借主の故意や過失による室内の傷や汚れの原状回復に必要な費用」という事になります

 

 

原状回復の基準

 

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(出典 国土交通省HPより)

 

 ◆ 資料:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」 [PDF形式:1.92MB]

国土交通省で決められた指針がありこれに違反すると罰則があります

従来は、「原状回復=借主が借りた当時の状態に戻すこと」という認識があり経年劣化した分も借主が費用負担する風潮がありましたが、今はトラブルを避けるために国土交通省が定義づけています

 

原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました

そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしました

 

経年劣化の費用は大家もち、入居者の過失によるものは入居者が支払うという事ですね

 

 

表1

A :賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても、発生すると考えられるもの
B :賃借人の住まい方、使い方次第で発生したり、しなかったりすると考えられるもの(明らかに通常の使用等による結果とは言えないもの)
 

建物価値の減少と原状回復の考え方

 

A(+B):基本的にはAであるが、その後の手入れ等賃借人の管理が悪く、損耗等が発生または拡大したと考えられるもの
A(+G):基本的にはAであるが、建物価値を増大させる要素が含まれているもの

⇒ このうち、B及びA(+B)については賃借人に原状回復義務があるとしました。

 

永く住んでいれば通常損耗により費用負担が少なくなります
一般的には6年から8年で0円になる計算です

 

原状回復費用の種類による負担先は?

借主負担

  • 引越でできた傷
  • 入居者の不注意によるカーペットのシミやカビ
  • 入居者の不注意による 冷蔵庫下の錆び跡
  • 入居者の不注意で雨が吹き込んでできたフローリングの色落ち
  • 結露を放置して拡大したカビ、シミ(管理会社に通知もせずかつふき取るなどの手入れを怠り、壁等を腐食させた場合
  • 入居者が天井に直接つけた照明器具の跡
  • 落書き等の故意の毀損
  • 鍵の紛失または破損に寄る取替
  • タバコなどでついたクロスの変色・臭い
  • 入居者の手入不足によるガスコンロ置き場、換気扇などの油汚れ、すす
  • 入居者の手入不足による水回りの水垢、カビ等
  • ペットによってついた傷・臭い
  • 庭に生い茂った雑草
  • 故意に壊してしまった壁や建具、設備

 

大家負担

 

経年劣化による傷や破損などは、「原状回復」ではないので借主は費用負担を負いません

畳や壁が日焼けで変色した場合は、借主の故意・過失ではないので大家負担という事になります

 

  • 畳やフローリング、壁紙の日焼け
  • 電化製品による電気やけ
  • 家具の設置による床やクッションフロアのへこみや設置跡
  • 画鋲やピンなどの穴の軽微なもの
  • キッチンやトイレの消毒
  • 自然災害によって起こったガラスの損傷
  • 経年劣化による網戸の張り替え
  • エアコンの洗浄
  • フローリングのワックスがけ
  • 畳の表替え・裏替え

 

注意ポイント

賃貸契約の時に大家負担のものを入居者負担にしていることがあるので
契約の特約事項に注意しましょう

ここで契約書に書いてあったからと言ってあきらめる必要はありません

下記にある相談窓口へ直接相談して非がなければ支払わないですむことも有ります


 

 ⇩  初期費用が少なくて入居できる 

 

 

【重要】負担費用は居住年数で変わる

表2

 

賃借人の負担については、建物や設備の経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させる考え方を採用しています

 

耐用年数が6年のものでは6年、耐用年数が8年のものでは8年以上入居していると支払する必要がなくなります

 

 

悪くないところも一緒に請求された場合

 

原状回復は毀損部分の復旧ですから、可能な限り毀損部分に限定し、その補修工事は出来るだけ最低限度の施工単位を基本となります

毀損部分と補修を要する部分とにギャップ(色あわせ、模様あわせなどが必要なとき)がある場合の取扱いについて、一定の判断を示しています

 

参考

例 クロスの補修の場合 傷をつけたのは30センチぐらいでもその部分だけの補修は出来ないので
クロスの有効幅×天井高の補修が必要になります

これは施工の時に一枚物を縦に貼るためです

途中で貼り継ぐと段差や隙間など見た目が悪いだけでなく剥がれの原因にもなります

こういった場合に面単位での補修が適用されます

 

ハウスクリーニング(美装)費用について

費用の目安

1ルーム15,000円~25,000円1dk18,000円~30,000円、1LDK20,000円~35,000円、2LDK25,000円~45,000円

ただし地域や会社単位で違うので管理会社で確認が必要です

 

敷金とクリーニング代

 

ハウスクリーニング費用はクリーニング代として入居時に支払っている場合と敷金から退去時に差し引かれる場合があります

敷金は当然に入居者に返金される金銭ですので差し引きで返金がある事もありますがクリーニング代はすべてクリーニングするために使いますという前提で集金している費用なのでどんなにきれいに部屋を掃除していても返金されません
また修繕代がかかる場合は別途請求されることになります

 

 

クリーニングの内容

 

室内掃除

床ワックスがけ

水回り清掃

ベランダ・庭掃除

ガラスサッシ・網戸清掃

換気扇、エアコン清掃

 

 

自分でやっておくと無料になる?

 

なりません(笑)

結局隅々までできているかは確認が必要であることと、プロと素人では視点が違うのでクリーニングを省くことはないといえます

退去時に一生懸命掃除をしてピカピカに磨いてもクリーニングの請負業者や管理会社が喜ぶだけです

最低限のざっと掃除をする程度で十分です

具体的に言うと『ゴミや物がすべてなくて、掃除機がかかっている状態で、ほこりなどはふき取っている』です

換気扇やガスレンジなど必要以上にきれいにする必要はなしです

「立つ鳥跡を濁さず」なんてことわざがありますが忙しい時期なのでほどほどにしましょう

 

 

 

 

精算時にトラブルになりやすい要因

 

結露を放置したことにより拡大したカビやシミ

鍵の紛失、破損による取り換え

たばこのヤニ汚れや臭い、焦げ跡

ペット飼育による傷・におい

 

上記の項目は特にトラブルになりやすい項目です

特にたばこのヤニ汚れに関しては100%入居者負担となります

クリーニングだけではなくクロスの全張り替えなんてこともありますので十分に注意してください

ペットの匂いも結構強烈です

避妊や去勢するとおしっこの匂いも減り、そそうもしなくなることが多いので飼育するのなら対処しましょう

また猫の場合は木製の柱や壁で爪とぎして柱ごと取替という事例もありますので要注意です

事前の対策を施しましょう

 

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トラブルになってしまった場合

 

少額訴訟手続

少額訴訟手続は、民事訴訟のうち、少額の金銭の支払をめぐるトラブルを少ない費用で迅速に解 決することを目的とした制度であり、民事訴訟法の改正により、平成10年1月から施行されてます

この制度は、60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争を解決する審理手続で、裁判所は、原告の主張(支払)を認める場合でも、分割払、支払猶予、遅延損害 金免除の判決を言い渡すことができるものとされている

原状回復及び敷金返還にかかるトラブルにも対応できうる制度であり、今後もますますその活用 が期待される

 

 

裁判外紛争処理制度

① 調停(相談・あっせん)

民事調停(司法調停)は、民事紛争につき、調停機関が斡旋・仲介し、当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的として、民事調停法の定める手続により行われる紛争解決制度で、訴訟に比べて簡易な手続により迅速な解決が図られる等のメリットがある

また、司法調停ではないが、国民生活センター、消費生活センターなどの常設的な紛争調整機関 においては、紛争当事者間の円満な話合い、解決のための調停ないし相談・あっせんが必要に応じ て行われている

 

② 仲裁

仲裁は、一定の法律関係に関する紛争の処理を、裁判所ではなく、私人である第三者(仲裁人) の判断に委ねる旨の合意に基づいて行われる紛争解決方法で、仲裁人の選定における公平性の確保 などの問題もあり、その実績は調停に比べると多くないが、弁護士会、司法書士会、行政書士会な どの仲裁センターでは、取り扱う事実について特別な制限を設けていない場合が多く、原状回復、 敷金返還請求にかかる事案も持ち込まれている

 

 

行政機関への相談

 

賃貸住宅にかかる相談、苦情処理業務は、地方公共団体の相談窓口消費生活センターなどの行政機関においても実施されている

 

 

まとめ

 

事前に知っていて気を付けることで余分な費用が節約できます

特に初めての一人暮らしをする場合は退去時にかかる費用も考慮しておくことをおススメします

 

 

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