読者の疑問

こういった悩みにお答えします
筆者は建築関連で20年働いた後不動産会社で4年勤務
2019年に宅地建物取引士に無事合格
引越経験12回!
この経験を生かして執筆しています
賃貸保証会社とは?
端的に言えば連帯保証人の法人版といった感じです
借主の家賃の支払いが遅れた場合、滞納した場合に貸主(大家・管理会社)に直接立替払いしてくれます
大家さんや管理会社にしてみれば家賃が確実に回収できるし、取り立てなども代行してくれる制度もあるのでとても便利です
最近は連帯保証人より保証会社を付けてほしいという家主も増えてきています
家賃保証会社のサービスは、基本的に入居者から保証料を受け取って、物件オーナーや物件管理会社に対して滞納家賃を保証するというもの
賃料が入らないで銀行融資の返済が出来なくなるなどの心配がなくなるので家主の立場に立てば導入したいと思うのは当然です
家賃保証会社の仕組みは?
大きく分けて2つの保証形態があります
見分け方は家賃の振込先、または引落先の口座名義で確認できます
1 家賃の振込先が〈管理している不動産会社、大家個人〉の場合
家賃の滞納があればその都度保証会社に請求します
この場合は家賃の管理は管理会社か大家が自分で行っており、期日までに振込まれてなければ
借主へ直接督促の連絡が来たりします
2~3日の遅れであれば遅れるなどの連絡を入れておけば保証会社を使うことは余りありません
2家賃の振込先が〈保証会社、クレジット会社など収納代行会社〉の場合
家賃は引落が原則で期日に引落が出来なかった場合は連絡なく立替え払いとなります
後日郵送で引落が出来なかった旨の連絡が来ますが半月ほどしてからだったりするので
うっかり忘れの時は驚くようです
連帯保証人がいますが賃料保証会社利用必須とはどうして?
昨今では「保証会社利用必須」をうたっている物件は増加傾向にあります
●家賃の管理という観点から見ると保証会社に入っていると家賃を取り損ねることがないのでとても有益なのです
賃料の督促にかかる人件費を抑えることもできます
このような貸主の事情から連帯保証人がいても保証会社利用必須にしていることが多いのです
又管理をしている会社の方針で一律「保証会社利用必須」になっていたりもします
●又もう一つの原因としては保証会社からのバックマージンがあります
保証会社にもよりますが保証会社の利用時契約金と一緒に賃料の30%から100%の保証料がかかったり、初回は少額でも月々賃料と一緒に家賃の1~3%を払うなど、ばかにならない金額を支払うようになるのですが、この中から支払われます
これは金額が固定されているものもあれば契約件数が増えれば%が上がるものもあります
賃貸での売上が年間1,000万円程度の小さな不動産会社でも何十万のマージンが入るので熱が入るのも当然です
管理会社や家主にはデメリットゼロなんです
今後はさらに保証会社利用必須の物件が増えていきます。
管理会社が保証会社と代理店契約をしているため、不動産屋さん単位で保証会社が決まっています
入居者が会社を選ぶことはできません
賃貸保証会社の審査内容は?
賃貸保証会社は4タイプに分類できます
タイプにより内容が違ってくるので一つずつ解説します
① 金融系(信販・銀行系列)賃貸保証会社
個人の信用情報をクレジットカードの審査基準で審査します
CIC(指定信用情報機関)やJICC(日本信用情報機構)などの過去の履歴を取り寄せ、入居審査に採用しているため、審査項目が多く難易度が高いのが特徴です
過去のカード払いの滞納や遅延などの状況が悪い場合は審査に通りにくくなります
無職の場合は審査自体が受け付けてもらえません
クレジット滞納などの自覚症状がない方でも携帯電話の料金度重なる滞納などで審査が通らないこともあります
この場合は代理人契約などで収入のしっかりとした親族などに契約するなどの方法をとります
審査項目
- 携帯電話の分割払い滞納
- クレジットカードの滞納
- 住民税、都(市)民税、所得税の滞納
- 国民健康保険料の未納
- 奨学金の滞納
- 公共料金の滞納
- 犯罪・逮捕歴
- 反社会的勢力該当

② ハウスメーカー系賃貸保証会社
ハウスメーカーによってはクレジットカードの作成が必要となります
審査基準はハウスメーカーにより多少異なりますが金融系のメーカーに準じたものとなります
③ 協会保証会社
社団法人で賃貸保証の協会が2つありこれに属している会社です
審査の難易度としては信販系などに比べるとずっと通りやすくなります
審査の基準は安定した収入と過去の協会内での滞納履歴です
同じ協会に属している別会社で滞納履歴があると通りにくいといえます
●一般社団法人 賃貸保証機構(LGO)
ALEMO株式会社
株式会社Casa
日本セーフティー株式会社
ハウスリーブ株式会社
フォーシーズ株式会社
●一般社団法人 全国賃貸保証業協会(LICC)
アーク株式会社
株式会社アクアインシュア
株式会社アルファー
エルズサポート株式会社
株式会社近畿保証サービス
興和アシスト株式会社
ジェイリース株式会社
全保連株式会社
賃住保証サービス株式会社
ニッポンインシュア株式会社
ホームネット株式会社
株式会社ランドインシュア
株式会社ルームバンクインシュア
(2020年9月30日現在)
④ 独立系賃貸保証会社
協会に属さない独自の保証会社です
管理物件の多い不動産会社が独自で賃貸保証を行っている場合もこれに該当します
審査では連帯保証人や緊急連絡先の項目重視で連絡が入ることが多いといえます
ただし一部の保証会社を除き、入居審査を通すために協力的です
過去にその会社で滞納があった場合にはほぼ審査落ちします
賃貸保証会社に頼んだ時のメリット・デメリット
メリット
連帯保証人の代わりになる
デメリット
保証費用がいる
更新料がかかる(1年、2年毎)
保証委託契約に必要なもの
身分証明書(運転免許証・健康保険証・マイナンバーカード等)
*無職の方の場合(少なくと1つ)
本人名義の預貯金の残高を証明出来るもの(預金通帳のコピー、残高証明書)
生活保護決定通知書または保護証明書※生活保護受給者の場合のみ
通帳のコピー(預金審査があるケース)
*連帯保証人が必要な時
連帯保証人の収入証明書、印鑑証明書
連帯保証人の電話番号等
連帯保証人の勤務先、住所、電話番号、役職、勤続年数
連帯保証人の実印
緊急連絡先などの場合もしっかりと勤務先、住所、電話番号、役職、勤続年数が分かるようにしておきましょう
保証会社の審査に落ちてしまった場合
保証会社の審査を受ける場合は不動産会社の評価も加味されますが、保証会社の審査結果が優先されます
審査に落ちてしまったという場合は「収入に対して家賃が高過ぎる」ケースや過去の滞納履歴からといったことが考えられます
手取りの給料が20万円で賃料15万円のマンションを借りるのは無理があるので身の丈に合った物件を選ぶ必要があります
また過去に家賃の滞納をしたことがあったり、債務整理していると落とされることもあります
管理会社である不動産会社は大抵何軒かの保証会社と保証委託契約を交わしているので別の保証会社で審査をしてもらうこともできます
何軒か審査を受けてそれでもダメな場合は審査の緩い物件を契約することになります
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まとめ
世の中の流れで保証会社必須になってきています
保証会社に代位弁済してもらったといっても自分の返済が免除されるわけではありません
督促されて支払うときには遅延損害金などの手数料を支払うことになります
又将来借りるときに審査が通らず気に入った物件をあきらめなければならないなど障害が出てきます
きちんと毎月払える金額の部屋を借りるようにしましょう
つくづく思うのはローンの残っていない実家暮らしが最強です!
それでは良いお部屋が見つかりますように!!!