読者の疑問

こういった疑問にお答えします
筆者は建築関連で20年働いた後不動産会社で4年勤めました
宅地建物取引士で自らの引越経験も12回あり
その経験から執筆しています
内見の時に見るべきポイント
ちょっといいなと思える物件があれば内部見学することになりますが、その時のタイミングで観ることの出来ない部屋もあります
まだ入居中の物件や新築で完成前などの場合が内見出来ない部屋になります
見えるけどクリーニング前だったり、同じ建物内の別の空き部屋の場合もあるでしょう
決まった条件の中でより良い部屋探しが出来る為のポイントはその場であわてて考えていても見落としが発生して、二度足を運んだり、後で発覚したなどが起こりかねません
色々な条件がある中で見落としがちなポイントも多々あります
どのような観点で見ておくとよいのかチェック表にまとめましたのでぜひお使いください
⇩ ダウンロードして使えるPDF
●内見時のチェックポイント表
内見に持っていく物
部屋の資料、間取り図、募集図面
部屋の間取り図や賃料などが記載されたもの
物件情報や間取りを見るために必須、不動産店で貰うようにしましょう
(例)
スマホ
カメラ機能、ビデオ機能、ライトなど
メジャー
100均のものでも可なので持っておくと便利
窓の大きさ、洗濯機、冷蔵庫置き場の寸法、廊下の幅などのほか大型家具が入るか計る
メモ帳・筆記具
間取り図に書き込めるようにしましょう
バインダーなどに挟むとより使い勝手も向上します
スリッパ
物件によってはないところもあります
不動産屋が持ってくるのが原則ですが忘れる人もいるので気になる方は持参しましょう
掃除前の物件では靴下が真っ黒になることも想定できるので自分で持っておくと安心です

内見のチェックポイント
物件の室内
間取りと面積
間取り図が間違っていないかチェックしておきましょう
窓の位置が違ったりちょっとした違いがあったりもします
日当たり
晴れている日の日中ならどの程度の日当たりがあるかも要チェック
内見段階での清掃状況
清掃後時間がたつと部屋の中も薄汚れてきます
物件によっては内見時にほこりがあってもそのまま引き渡しとなることもあるので『もう一度清掃が入るのか』確認しておくと良いですね
匂い
下水の匂い、カビの匂いなど
下水の匂いは風呂、トイレ、洗面所、台所、洗濯機等の排水口の封水がなくなり下水管から匂いが上がってくるもので、生活を始めるとなくなります
部屋の中にカビの匂いがあるようだと、クロスを張り替えたばかり目につかなくても要注意
カビの胞子で病気になることも有るので、カビがあったり匂いがある部屋はあきらめた方が無難です
内装の傷や汚れなど
退去時に修理代を請求されないように確認しておきましょう
内見時に気が付けば一緒に内見しているスタッフに伝えて、なおかつ写真を撮っておくと良いでしょう
場合によっては修理してくれることもあるので是非聞いてみてください
雨漏りの後やカビの跡
北側の壁や天井、浴室、洗面室、トイレ、押入れ内などチェック
クリーニング後だと分からない場合もありますが主に北側の壁面や浴室、押入れの中などに湿気がたまりやすくカビも生えやすいので匂いも同時チェックしておきましょう
建具の建付け状況
建具(ドア、窓)などの開閉はスムーズにできるかまた移動時の音が大きかったり軋み音などがある等を確認
建付けが悪いと日々の生活の中でストレスが溜まります
網戸
網戸があるか、網戸の開閉はスムーズか、破れや穴あき、経年劣化によって朽ちてないか
見落としがちなので要注意です!
実は網戸に関する苦情って案外多いのです

冷蔵庫と洗濯機などの設置場所の広さ
手持ちものが設置できるかどうかは重要です
入らなくて買い替えなんて避けたいですよね
新規に買い替えるにしても設置場所に入らないことなども有るので内見前に家にある家電や大型の家具などはの採寸をしておきましょう
買換えを検討している場合はカタログなどで大きさをチェックしておくと良いでしょう
搬入口の広さ
廊下や玄関が狭いなど、広いと思っていてもクランク状の廊下で通らないこともあります
最悪、大型の家具やソファーが玄関から入らずにクレーンで釣り上げが必要になるなど余分な引っ越し費用がかかることも


カギ交換
鍵の種類、交換の有無
鍵は普通のシリンダーキーやカードキーなど様々ですが、きちんと交換するのかも確認しましょう
ネット環境や電話、地方によってはケーブルテレビなどのインフラ
ネット環境が整っているか
インターネット無料物件も増えてきましたが、まだまだ自己負担のところもあります
マンションだと自分で好きな回線を選ぶことが出来ないこともあるので、導入回線がある場合、回線業者名と初期費用や月額を確認しましょう
自己加入の場合は回線業者を選んで自分で契約することになります
インターネット回線と合わせて確認しておきましょう

携帯電話の電波
電波の入り具合のチェック
実際に現地で確認するのが一番良いでしょう
部屋を借りてから携帯の電波が届きにくいことが分かったら大変です!
エアコン
種類と台数
掃除ができているか前のパネルを開けてフィルターを確認してみましょう
掃除済みで清掃できてない場合は入居前に掃除をしてくれるか確認しましょう
リモコンの有無も忘れずにチェック
照明
各部屋の照明の有無
電球の切れがないかもチェック
備え付けの照明であれば入居時の電球や蛍光灯など切れたものは大家さん持ちです
住んでいて切れたものは原則居住者で交換です
収納スペース
収納スペースや容量の確認
押入れ・クローゼット・下駄箱・キッチン収納・洗面スペースなど
十分な収納スペースがあるか検討しましょう
目安としては今の収納スペースの1.2倍以上あるのが好ましいようです
窓のサイズ、カーテンサイズ
窓の高さはカーテンを選ぶうえでも重要
大きな全面窓で日当たりがいいなんて思っていたら既製品が合わないなんてこともまれにあるので要注意
ベランダの掃き出し窓なら1.78m~1.8m、1.98m~2m、腰窓なら1.3m~1.35mなどと規格の決まっていることが多いのですが稀に高さが2.3mのものもあるので計っておきましょう
浴室
追い炊き機能有り/無し
給湯器はガス(都市ガス、プロパン)、電気
シャワーの水圧も忘れずに!

キッチン
レンジの有無【ガス(都市ガス、プロパン)かIHか】
換気扇の音、油汚れ、吸引力、匂い
家庭の中で一番汚れやすい箇所です
換気扇は表面のみキレイにしてあり、実際に使い始めたら内部にたまった油が出てくることも有るので要チェック!
コンセントの位置や数、電気の契約容量
各部屋のコンセント数、位置
古い物件だとコンセントが少ない場合もあるので要チェック
また電気の容量も少なくてすぐにブレーカーが落ちることもある
電気の容量の増減をしたいときは一定の基準までは無償で電力会社がブレーカーを変えてくれます
基本料金が違ってきますが、すぐにブレーカーが落ちる物件には効果的です
古いタイプの配線だと工事できない場合もあるので気になったら電力会社で確認してみましょう
セキュリティ
インターホン、オートロック機能、セコムなどホームセキュリティ
オートロックはついていても裏口から誰でも入れたり、暗証番号を配達業者などが知っているなんてこともあるので、過信しすぎてはいけません
近頃はSECOMやALSOKなどの警備会社が駆けつけてくれるなどホームセキュリティサービスのついたマンションもありますが費用は家賃上乗せになります
遮音性
外部の音の聞こえ方や周りの部屋の生活音などの確認
壁が薄い場合は外部の音がよく聞こえてきます
物件の共用部
管理
管理はどのように行われるか
大家さんの自主管理物件の場合は大家さんが近隣に住んでいるかどうかも重要
近所に家主がいる場合人によっては頼もしいと感じたりお節介と感じたり感じ方も様々です
しかし管理という面では家主が近隣にいることで抑制力が働くので常識外れの入居者が少ない傾向にあると思います
管理が行き届いているかを見るには共有スペース(ポストや玄関、ゴミ収集場所)のチェックが欠かせません
「清潔かゴミやチラシが散乱していないか」など管理状況が一目でわかります
廊下の電球回りもチェックポイント!
蜘蛛の巣がたくさん張っていたり、虫の死骸があれば管理のずさんさも見えてきます
建物の状況を見ると利便性だけでなく、そこの住人と物件の環境がわかるのです
ポストの周辺
チラシやごみ、たばこの吸い殻などが床に落ちていないか
郵便物をとりだしていない部屋が多くないかなど
住人の意識が分かります
チラシをその辺にポイポイ捨ててしまう人がいるならちょっと考えた方がいいかも
恐らく自分さえ良ければいいという考えの住人なので良好な近隣関係は望めません
廊下
掃除は行き届いているか
照明に蜘蛛の巣がないか
廊下に個人の荷物が放置されていないか
ごみ置き場
掃除できているか
ゴミの出し方は適切か
異臭がしないか
収集日以外にゴミ出しをしていないか
ペットの可否
ペット可物件の場合は匂いや鳴き声などの問題が発生してくる場合もあり
自分がペット飼育の予定がないのならできれば避けた方が無難です
事故物件(部屋)でないか
法律的にはこういった心理的瑕疵は一度入居があると以後の入居者には伝えなくても違法ではないととらえている業者が多いので、直接聞いてみた方がよいでしょう
(聞けば教えてもらえます)
参考記事 ⇒ 『その部屋、事故物件じゃないですか?』すぐに解る事故物件の見分け方
物件周辺
近隣の雰囲気・治安
公共交通機関までの距離
店舗など
申し込みまでに確認しておく事
原状回復に関する費用
契約書及び特約における賃貸退去時の原状回復(ハウスクリーニング)費用の目安・範囲・敷金との関係
◆ 国土交通省資料:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」 [PDF形式:1.92MB]
保証会社はオプションか強制か
後で思わぬ費用がかかる場合もあるので先に聞いておくと安心できます
参考記事 〉〉〉 家賃保証会社ってどんな会社?【失敗しない部屋探し3】
退去希望時の条件と方法を確認しておく
何ヶ月前通知で退去できるのか聞いておく
1年で転勤が決まっている場合などは、1年での退去で違約金がかからないか?また1か月前の連絡で退去可能か?
退去時に日割り精算してくれるのかなど
定期借家契約か普通借家契約か
定期借家契約だと決められた期限で退去しなくてはなりません気に入ったからと言って契約の更新はできません
仲介手数料
契約時にかかる仲介手数料
更新時の更新料
いる場合といらない場合では更新時に大分違ってきます
更新時には火災保険や保証料なども1年ごとに更新料がかかるものなどもあります
修繕や要望箇所の出来上がり日数の目安
入居までに修理してもらえるかを不動産会社の担当者に確認することも忘れずに
担当営業マンの内見テクニックに要注意!!
内見を行う場合に何軒かまとめて見ることがあります
担当者としては一度で決めたいので、見せる順番を工夫します
1. 決めてもらいたい物件(不動産店の利益が多い)
2. 1とよく似た物件(不動産店の利益が少ない)
3. ひどい物件(人気のない物件で1.2と比べると格段に条件が悪い)
この3つがあるときはどんな順番で見るか分かりますか?
余程方角が違うとか距離があるなどの問題がない限りは2→3→1の順番になります
3つ目の物件の内見時には一番最初の物件は記憶も薄れていて、直前に見たひどい物件の印象が強く残っているものです
最後に見た1番がとてもよく見える為、そのあと怒涛のセールストークで攻め落とすといった感じです(笑)
◎『早い者勝ちです』
◎『ほかにも内見の予約がある』
貴方が余程気に入った物件でない限り結論は一旦持ち帰りましょう
ポイント
もしも探している物件の理想に限りなく近くて『これだ!!』と思った場合は早めに申し込みの意思表示をして部屋を押さえてもらいましょう
まとめ
物件の比較・検討には内見が必須です
内見チェックリストを使って上手に内見しましょう
動画や写真もあると後で検討するときに役立ちます
余裕を持った部屋探しで理想の空間を見つけましょう!
きっと良い部屋探しが出来ることと思います

参考記事 〉〉〉 賃貸住宅の初期費用を安く!お得に! プロが教える8つの重要ポイント