賃貸契約の申込後にキャンセルできる?

不動産

賃貸契約の申込後にキャンセルできる?お金で損しない為の知識

2020-12-22

読者の疑問

賃貸の申込をしていたんだけど
他に気に入った物件があるのでキャンセルしたいんですけど
キャンセル料ってかかりますか?

このような読者の疑問にお答えいたします。

 

筆者は建築関連で20年働いた後不動産会社で4年勤務。
宅地建物取引士であり、自らの引越経験も12回。

この経験を生かして執筆しています。

自分でキャンセルしたことは無いですが、キャンセルされたことは結構あります(;^_^A

 

申込キャンセルしたいけど、手付金が戻ってくるか不安になりますよね。
手付金や申込金についての概念や注意点など宅地建物取引士の観点で判例を交えて解説します。

 

 

賃貸物件を契約申込後にキャンセルできる?

賃貸申込後にキャンセルしたい

申込の段階であればキャンセルできます。

申込の段階とは契約書にサインするまでの段階で契約が済んでいない状態の事です。
契約が済んだ状態とは貸主、借主の双方が契約書にサインをした時です。

契約書に署名捺印した場合は基本的にはキャンセルできません。

正確にはキャンセルできる場合と出来ない場合に分かれます。

これは契約成立の考え方に違いが有る為ですがこちらも次の項目で説明します。

 

参考

重要事項説明書は契約の前までに必ず宅地建物取引士が説明をしなければならないことになっています。
重要事項説明義務を怠った場合は、不動産業者は宅建業の違反で業務停止や免許取り消し等の「監督処分」を課せられます。

重説の説明をしてない時点で業者は違反ですが契約の解除とは別問題です。
民事上の「詐欺」や「錯誤」(勘違い)にあたるときは取消などによっていずれも最終的に「無効」となることがありますよ。

 

賃貸契約にはクーリングオフの適用はあるの?

賃貸契約にはクーリングオフの適用はありません。

基本的に不動産では適用されないことが多いですが、条件を満たせば売買に限っては適用されることもあります。

クーリングオフの考え方は複雑で結構間違えて記述しているサイトもあるので気を付けてくださいね。

 

賃貸契約のキャンセル費用が発生するタイミングはいつ?

賃貸キャンセルでかかる費用

賃貸契約のキャンセルで費用が発生するのは契約成立後のみです。

契約が成立してしまうとキャンセルではなく「契約の解約」となります。

不動産業では仲介手数料以外の報酬を一切請求できない決まりがあるので契約前にキャンセルしたからと言って手数料を取ることはできません。

仲介手数料は発生するのは契約成立後となります。

 

 

契約成立の考え方は2通り

契約成立のタイミング

民法では許諾契約きょだくけいやくが認められていてこれは「双方の意思疎通のみにより契約が成立する」という事です。

例えば土地の売買において買主Aが「この土地買います」といって売主Bが「いいですよ。売りましょう」といった場合は双方の意思疎通によって契約が成立しているという考え方です。

 

しかし賃貸借契約においては賃借人(借りたい人)に重要事項説明を宅地建物取引士が行い、契約書に賃借人と賃貸人(大家)双方の署名、捺印が終わった時点が契約成立となります。

不動産の担当者があらかじめ家主のサインをもらってきている場合は該当しませんが、通常の契約時に大家さんが同席することは稀なので借主が署名捺印してから家主が署名捺印するまでタイムラグがあります。

どちらか一方だけでは契約成立とは言えないからです。

だから自分だけの署名捺印の場合は契約が終わっているとは言えないことになります。

賃貸人が署名捺印した時点で契約成立と言い張る方業者もいますが、裁判では必ず負けます。

これらの2つの軸は近年の裁判で争われていましたが「契約成立は双方の署名捺印後」との判例がでました。

 

契約後お金を払ってない場合はキャンセル出来る?

契約成立後キャンセル

契約とは宅建士による重要事項の説明を受けた後、賃貸契約書にサインすることなので、お金を払ってないからと言って契約は無効とはなりません。

契約金は後で請求されることになります。

基本的には「金銭の授受≠契約成立」となり、「契約書にサイン=契約成立」という考えです。

 

不動産屋側の目線

不動産屋の方もキャンセルは痛いです。
キャンセルされて見込んでいた売上が減ることはもちろん何より大家さんへ報告しなければならないのでとても心が折れます。
大家からすれば入居者が決まって他の不動産店からの問い合わせを全部断っていたのに又募集かけなおさないといけない事態です。
「あの不動産屋の営業マンはなんていい加減なんだ!」ヽ(`Д´)ノプンプン
と非常に心苦しい状態が待っているのです。

 

契約成立後にキャンセルした場合の費用は?

契約成立後にキャンセルした場合は解約となり、たとえ入居してない状況でも礼金や火災保険料、家賃、仲介手数料などは帰ってこないという事になります。

また物件によっては短期解約違約金が請求される場合もあります。

契約解約後に返却されないお金

  • 礼金
  • 家主に支払う慣例的なものですが契約成立後は戻らないものです。

  • 家賃
  • 解約申し出の期間によって違いますが、多くは1か月前で解約月に日割り精算する場合としない場合では若干違ってきます。
    10万円の家賃で4月15日入居予定で4月5日に解約申し出となった場合
    日割り精算あり・・・5月4日まで1か月分10万円
    日割り精算なし・・・5月31日まで1か月分+4月分5万円=15万円

  • 火災保険料
  • 年契約の火災保険は保険会社に自分で解約の手続きをすることになります。
    申込が済んでしまっていると不動産屋からの返金でないので注意しましょう。

  • 仲介手数料
  • 契約が成立している時点では戻ってきません。

  • 短期解約違約金
  • 契約書や重要事項説明書に明記されている場合に必要になることも有ります。
    家賃の1か月分が標準ですが物件により違うので契約書類を読み直してください。

 

参考記事 ≫ 拒否できる⁈賃貸物件の短期解約違約金を払わないとどうなる?

ポイント

不動産屋もキャンセルが痛いけど、契約までして解約となると入居者さんの方も大変な痛手です。

店舗ごとに考え方が違いますが契約後でもお金を返す返さないは営業担当者とその店の方針次第です。

私はほとんどの場合で手数料も含めて返金していましたが、火災保険料は払い込み後なのでお客様で解約手続きしていただきました。

もし返金してくれなさそうでもキャンセルする理由をきちんと伝えて謝罪すれば担当者も返金の努力をしてくれるかもしれません。

 

 

契約前に払った「預り金」は全額返金されます

賃貸申込後キャンセル

宅建業者は仲介できなければ物件の案内等の日常業務に対して費用を請求することは出来ません。

もしすでに契約金を払った後であっても契約が済んでいなくて契約をキャンセルするのであれば全額返還されることになります。

契約前のキャンセルであれば先に支払った「預り金」も含めてすべて返金されます。

参考記事 ≫ 賃貸で発生したトラブルは何処に相談するの?費用支払いは誰?事例別まとめ
 
 

賃貸契約においての申込金とは

「申込金」「手付金」「内金」など名称は違いますが基本的にこれらのお金はすべて「預り金」とみなされます。

この預り金名目のお金は契約が成立すれば初期費用に充当されます。

賃貸借の仲介業務では契約が成立しなければ仲介手数料を受け取ることは出来ません。

 

申込金を求められたときに注意すること

「申込金」の支払いを求められたときは、このお金の意味を説明して貰いましょう。

一時的に預けるだけのお金であれば「預かり証」を出すのが通例なので、もし「領収証」であれは但し書きを入れてもらうとよいですね。

・預け入れた日時

・金額

・返還の期日

・預り金の目的

・返還の期日には必ず返金される旨

・不動産会社と担当者の記名捺印

自分の氏名、日付、返金期日、会社の印、担当者の印、金額、物件名などきちんと入っているか確認しましょう。

領収書を発行してきたら、但し書きに「手付金として」など一筆入れてもらうことも忘れずに!

 

手付金を搾取する悪徳業者に要注意

もし手付金名目で預かり証が発行されている場合は要注意です。

一般的に不動産業界での「手付金」は不動産の売買時に解約手付金として機能させるためのもので契約が成立しなければ戻ってきません。

しかし賃貸では売買時に行われているような手付金制度はありませんので返さないと言われたときは反論しましょう。

手付金の返還を拒むことは宅建業法で禁止されています。

 

 

契約後の上手なキャンセル方法

不動産屋で家を探す
キャンセルに至る理由は様々ですが、上手にキャンセルする方法があります。
上手なキャンセルが出来ると自分ももちろん担当者もあとくされないので、今キャンセルしようとしている人は試してみて下さい。

 

キャンセル理由におおいもの

  • 他にいい物件が見つかった
  • 空きがないと思っていた物件に空きが出た
  • 親や家族に反対された
  • 一緒に住む予定の人と住まなくなった
  • 初期費用が払えそうにない
  • 転勤が決まってしまった

 

他にいい物件が見つかったからと言ってキャンセルする人の中に『他の不動産屋で同じ物件の仲介手数料を安くしてもらえるから不動産屋を乗換えた』って人もいます。

他での契約は分からないと思うのかもしれませんが実はわかります。

借りる人にとっては1円でも安い方がいいに決まってますから仕方ないとは思いますが、こういう場合は先に申し込んだ不動産店の担当者に相談することをおススメします。

契約前にキャンセルする事態になりそうで、理由が値引きなら
正直に話してみれば安くしてくれることも有ります。
双方嫌な思いをせずに済むし、一番いい方法だと思います。

参考記事 ≫ 賃貸住宅の初期費用を安く!お得に! プロが教える8つの重要ポイント

 

損しない為に誰でも出来るキャンセル方法

  • 誠心誠意心から誤る。
  • 後伸ばしにしないで一刻も早く連絡する。

遅くなればなるほど双方ともダメージが大きくなるので思い切って電話してみましょう。
メールだと確認するのが遅くなる場合も有るので直接電話をするか若しくは店舗へ出向くのがいいです。

 

 

賃貸を契約申込後にキャンセルできる?まとめ

賃貸契約申し込み後キャンセルまとめ

賃貸契約におけるキャンセルは解かりづらい部分も有るし出来るなら避けた方がいいことは間違いないです。

どうしてもキャンセルしないとならない時は誠意をもって、あきらめることなく、対応してみて下さいね。

良い部屋が探せるように頑張ってくださいね。

 

 

 

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