読者の疑問

事故物件って不動産店で教えてくれないことも有るって聞きました
部屋探しの時に事故物件かどうか見分ける方法はありますか?
このような読者の疑問にお答えいたします
お部屋探しをしているときに気になる事故物件
ラップ現象がおきたり金縛りにあうなどの噂を聞いて、いくら安いからと言って住みたい人は多くないと思います
そんな事故物件の定義や見分け方など実例を踏まえて解説していきます
筆者は建築関連で20年働いた後不動産会社で4年勤務。宅地建物取引士であり、自らの引越経験も12回あります。
この経験を生かして執筆しています
事故物件を見分ける為に注意する4つの事
1 ネットの情報に「瑕疵あり」「告知事項あり」などと掲載されてないか確認する
宅地建物取引業法では広告を行う場合などには告知事項がある場合は先に提示しておくことが必須です
「瑕疵あり」「告知事項あり」など記載されていて賃料が周りに比べて安いものは要注意です
2 近隣の不動産屋に聞く
そもそも不動産屋で事故物件を教えてくれるの?
基本的には教えてもらえます
宅地建物取引業法の重要事項説明においては物理的瑕疵などに並んで、事故物件の心理的瑕疵についても告知すべき項目であるとされています
ただしその期間がいつまでかという規定がないため物件によりまちまちですが売買物件などでは告知義務は永遠に続くものとしての判決も出ています
事故後に誰かが入居した場合において、賃貸物件の場合は次の入居者には言わなくても『ぎりぎりセーフ』というのが業界の一般的な暗黙のルールとなっていたりもします
しかし業者から言わなくてもお客様から尋ねられた時にはきちんと答えなくてはならないので気になるのであれば遠慮せずに聞いておきましょう
また事前に事故物件は嫌だという事を伝えておくといいでしょう
3 現地を見て検証する
現地の雰囲気ってとても大事です
よく死亡事故のあった場所に花が供えられていたりしますが、事故物件にもある場合が多いです
又近隣住戸の玄関に盛り塩があったりお札が張られていたりなどからも推測は出来ます
事故から時間が経過した物件でも気味悪さを感じるなんてことも有ります
これはいわゆる第六感で筆者もあまり信じてはなかったのですが、特有のおどろおどろしさ若しくは張り詰めた空気感など共通することがあります
4 それでも疑わしい時は近隣の住人に聞く
マンション入居者が何か気配がすると言ってすぐに退去する物件がありました
原因はわからずいたところ、近隣の方に会う機会があって尋ねてみたら、そのマンションの敷地は50年以上も前に住宅火災で人が亡くなっていたことが分かったという事例もあります
悪気がなくても不動産店の担当者が知らないという事は有り得るので疑わしい場合は近隣の方に聞いてみるとよいでしょう
事故物件の定義は?
事故物件とは
殺人、傷害致死、火災(放火ないし失火)などの刑事事件に該当しうる事柄で死者の出た物件
事件性のない事故、自殺、災害(地震による崩壊など)や孤独死などで居住者が死亡した物件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
訳アリ物件とは事故物件よりもっと広い定義
訳アリ物件の要素を見ていきましょう
要素1 物理的瑕疵
物理的に重大な欠陥を土地や建物に抱える物件をいい、土地に関する瑕疵には、「土壌汚染」「地中埋設物」「地盤沈下」が存在し、建物に関する瑕疵には、「雨漏り」「ひび割れ」「シロアリ」 「床下浸水」 「アスベスト」などが存在する
要素2 法的瑕疵
都市計画法、建築基準法、消防法違反などの法令違反
環境的瑕疵 騒音や悪臭、葬儀場、墓地、ごみ処理場、産業廃棄物処理場
要素3 心理的瑕疵
事故死、他殺や自殺、孤独死などがあったり、その物件内において「事故死」や「自殺」「他殺」「孤独死」といった忌まわしさを感じる死に方をした者がいるケースや、「倒産」「暴力団事務所の跡地」 などの悪い事象の連鎖が懸念されるケース、「神聖スポット・井戸跡」のように縁起の悪さを感じさせられるケース、「風俗跡」のように生理的嫌悪が否めないケース
【注意】事故物件として扱われない心理的瑕疵物件
孤独死や病死でもなくなってからの発見が早かった場合は事故物件にはなりません
そのところの線引きが曖昧なため決まったルールはありません
家族で住んでいて病気で亡くなったなど普通の死亡は当てはまらないという事です
事故物件を調べる専門サイト「大島てる」が凄い
メディアへの露出が高く知名度があるので知っている人も多いと思いますが「大島てる」は事故物件を検索できる不動産屋の営業マンも利用している専門のサイトです
おどろおどろしい炎のマークに怨念がこもっているようで怖いです
サイトの情報は主に運営側がニュース記事などで把握したものと、ユーザーからの情報提供されたものとなっています
それでも収拾に限界があり、すべての事故物件が載っているわけではありません
未掲載の事故物件も多数存在することと、物件マークの炎の場所が違った位置にあり事故物件ではない物件が間違って事故物件と認識されることも有ります
事故物件は安いからお得という考えは?
以前賃貸サイトに掲載された記事
「事故物件♪ 人気の事故物件♪初期費用が少額♪TDL近い♪バストイレ付き♪」
「一人暮らしなのに一人暮らしではないような感覚にさせてくれる寂しがり屋さんにオススメのお部屋です♪」
このハチャメチャさは、不動産屋にまだ務めてなかった筆者もよく覚えていました
覚えている方も多いと思いますが2013年ごろ驚きの見出しで掲載当時複数のメディアで取り上げられてました
当時の記事⇒家賃2.3万、ワケあり、オバケ付き! 大手スーモ掲載「事故物件」がヤバすぎる
「事故物件住みます芸人」などが出現して以来、事故物件の割安さが一部のユーザーから受けて静かなブームでもあり、首都圏では事故物件専門不動産会社なるものも出現しています
安いのも確かですが怖いもの見たさだけならば入居はやめておいた方がよさそうです
何もなくてもちょっとした物音、例えば冬場空気が乾燥する時期には木材は収縮するので木のはじけるような音がしますが、これはラップ音のようにも聞こえます
こんなことでメンタル壊すのは勿体なさすぎます
筆者の事故物件体験
1 部屋は事故物件ではないが霊の通り道だった時の事
土地勘のある人ならわかると思いますが外苑東通りの神宮前2丁目交差点とビクタースタジオの間にあるトンネル、ここは幽霊が出るって噂の場所で夜間はタクシー運転手が通るのを嫌がるとかですが、このトンネルの上はちょうど仙寿院のお墓になってます
筆者はこのお墓がチラ見えする500mぐらい離れたマンションに住んでいました
3階だったので目線がちょうど同じぐらいの位置にあったことに後々気が付きましたが入居当時はお墓があるとの認識もなく、山手線内に住めた喜びでテンション爆上り状態でした
当時部屋にエアコンなどという文明の利器はなく、夏場はもっぱら扇風機で玄関(チェーンはかけて靴挟んで少し開ける)とベランダ側の窓を明け放していました
ある日の真夜中、急にドンドンドンって鉄扉をたたくような音がして目が覚めて、何事かと思っていると床のきしむ音が玄関からキッチンを抜けてこちらへ向かってく・・・・、真っ暗いなか硬直していましたが、最後に窓ガラスがガタガタと揺れて出ていったような気配
なにも実害などはなかったのですがその日は無風で風もなく寝苦しい夜だったので錯覚と思いたかったけど、その後窓の向こうのほうにお墓があることに気が付いて聞いて、冷や汗がでました
そしてあの日はお盆中だったので霊の通り道だったのかも
2 そうとは知らずに物件案内に行った時の事
当時だいぶん「とうの立った」新人だった頃の話でお客様にお部屋を案内してた時のこと
一人暮らしを始めるための物件探しで来店いただいた方と内見に赴きましたが、なんか建物自体がどんよりして生気がないんですね
川沿いで他に大きな建物がなく明るいはずなんですが暗さを感じる、掃除が出来てないとかとかじゃない何かを感じました
私は霊感などはなく鈍感な方で普段は見たこともないし感じることもなかったんですが
又部屋に入ったときの奥の方が暗いんです
部屋の奥まで入って見回すと今度は物音ひとつない張り詰めた空間にいるような錯覚が・・・
これは不徳の致すところですが後から、その部屋で一人暮らしの男性が首つりで自死していたことを知ってぞっとしました
3 殺人事件があった物件への案内に行った時の事
こちらも案内に行きましたが、あらかじめ事故のあった物件だという事はわかっていました
お客様じきじきの物件指名で仕方なく(T_T)内見へ行くことに
別の部屋だし部屋自体には何もなかったんですが、なんか2台あるエレベーターのうち1台がやけに暗いしちょっと変な感じなんです
ただ照明が暗いだけなのだと心の中で自分に言い聞かせていましたが、そのお客様も現地を離れてから
「今のところヤバくなかったですか?」と言ってきたほどです
こんなのただの思い過ごしかもしれませんが、今でも思い返すとちょっと背筋がぞわっとします
まとめ
- ネットの情報に「瑕疵あり」「告知事項あり」などと掲載されてないか確認する
- 近隣の不動産屋に聞く
- 現地を見て検証する
- 疑わしい時は近隣の住人に聞く
くれぐれも面白がったり興味本位で住むのはNGです
快適な賃貸部屋が見つかるとよいですね!