読者の疑問

部屋を借りるときに初期費用はいくらかかるの?
安くできる方法はあるの?
こう言った疑問にお答えします
筆者は建築関連で20年働いた後、不動産会社で4年勤めました
宅地建物取引士試験であり、自らも12回の引越を経験する
転居のエキスパートとも言えます
契約時にかかる費用について
賃貸借契約に伴う費用は契約時に一般的に家賃の4~6か月分が必要と言われてます
初期費用はどんな費用があるの?
敷金
家賃の1~2ヶ月 大家さんに預かってもらう担保のような役割
賃貸契約の終了時には、未払いの賃料などがなければ返金されるのが通常です
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、借主に故意、または不注意や過失による毀損・汚損などがなければ、修繕の負担義務(原状回復義務)はないという考え方が示されています
礼金
家賃の0~2ヶ月 大家さんに払う一時金で返却されない
謝礼の意味合いが強く返還されません
礼金は慣習によるもので、法律的な根拠はありません
また金額の基準も地域差あります
保証金
家賃の4ヶ月~7ヶ月 関西地方などで賃貸住宅を契約する際にかかる契約費用
関東における敷金のようなもので、更新料などが一体になっている場合もある
又賃貸店舗用・事務所用を借受ける際に、貸主様へ預けておく金銭です
保証金は、一定期間据え置き後長期分割払いで返還すること、あるいは賃貸借終了時等に一定金額を償却費として差し引いて賃借人へ返還することなどが約定されます
なお、敷金においても物件によっては償却されることもあるようです
敷引き
家賃の2ヶ月~4ヶ月 退去時に保証金から確実に引かれる費用
(初期費用として支払うものではない)
前家賃
家賃の1ヶ月 契約した月の翌月の家賃を契約時に支払っておくことをいいます
不動産の慣習では当月分の家賃は前月の末日までに支払う前払い制がほとんどです
日割家賃
月の途中からの入居であれば日割りの家賃も支払いが必要です
日数が少なければおまけで無しなんてことも有ります
管理費・共益費
管理費とは、家賃のほかに毎月家主へ支払うお金です
建物の清掃など維持管理に必要な費用のことです
共益費とは共用で使用される設備などの維持費です (共用灯、高架水槽、浄化槽、エレベーター、オートロック他)
実際には空室の募集時に家賃表示が高くなりすぎないようにこれらの別項目として設けている場合もあるので毎月かかる家賃の一部との解釈が妥当でしょう
仲介手数料
家賃1ヶ月+消費税 仲介を行う不動産会社に支払う手数料
入居者が必ず1か月分を払う必要はないのですが慣習として入居者が払うことが多いようです
仲介手数料については別の記事に詳しく書いてます
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火災保険料
1万5,000円~2万円 賃貸住宅では火災保険に加入することが義務付けられています
通常は賃貸契約が2年なら火災保険も2年契約が基本となります
不動産会社に案内された保険ではなく、個人で選んだ保険に加入することも可能ですが、加入証明が必要になります
実際に個人で加入したほうが断然安くできるので検討してみた方が良いでしょう
参考として自分で入れば1年で5,000円ぐらいからあるので要チェック!
鍵の交換費用
1~2万円 物件によっては、入居時に鍵を新品に変更するための費用交換でしない場合は無料
強制的に交換する物件や入居者の申し出によって交換するなど、他にも同じタイプの交換済みのシリンダーを別の部屋に差し替えることも有るのですが店舗によって様々なので要確認です
ただし、交換しない場合に合いカギを使って侵入する事件が発生していますので鍵はケチらず交換することをおススメします
また女性の場合は防犯上交換は必須です
消毒費用
消毒費害虫駆除など、入居前におこなう部屋の消毒にかかる費用 1.5~2万円
ちょっと前に札幌の大手不動産フランチャイズ店でガス爆発事故がありましたが
これは消毒と称して使用していた消臭剤スプレー缶を貯めていて
一度にガス抜きをにしていた為おこった事故です
保証会社加入費用
賃貸物件を借りる際には連帯保証人が必要な場合があります
連帯保証人を立てるのが難しい場合、保証人の代わりになってくれるのが保証会社であり、その保証会社を利用した際にかかる費用のことです
ここ数年で連帯保証人を立てずにこの保証会社契約が条件となっている物件が増えてきています
ただし保証会社の審査が通らず保証会社を利用するために連帯保証人が要るなんて矛盾した状態になる場合もあります
また保証にも保証会社ごとにプランがあって入居時に家賃の1か月分を支払えば更新料などの追い金が要らないタイプと入居時は家賃の30%の保証料の支払いだけだったけれど毎年更新料として1万円かかるものなどあり自分でタイプを選べる場合もあるので担当の営業さんに聞いてみましょう
■20万の家賃で30%だと7万円ぐらいだけど毎年1万円がかかり6年住むと12万円
■しかし20万の家賃で更新料のかからないタイプに加入すると初期費用として20万円
住む年数や家賃によってずいぶん変わってきます
家賃の安い物件で有るなら全額支払いのほうが安くつきますね
24時間サポートサービス
24時間電話で緊急対応してくれるサポートサービスの利用料
2年契約で1.5~2万円 月々家賃と支払う場合もある
これは入居者が夜間でも安心という触れ込みなのだが、本当は管理会社が窓口となるのを避けるために導入されている事が多い
退去時クリーニング費・美装代など
退去時のクリーニング代を契約時に徴収
敷金のかからない物件で必要になることが多い
法律上敷金と違って返金となることはありません
全額退去の時のクリーニングに充てるというはっきりとした目的もあるので、入居者が自分でクリーニングしても、もっと本当はクリーニング代安いはずだから返金してと言っても契約時に納得して払っている金員なので返金はないと言えます
ココがポイント
当たり前のように見積してくる場合の対処法
保証会社加入、火災保険料、24時間サポートサービスなどは本来ならば入居者が自分で選べるのですが、不動産屋で指定される場合があります
火災保険は自分で加入したほうが安いです
良心的な不動産屋では自分で加入もできますが、強制加入のところもあります
これは契約した不動産会社に10~40パーセントぐらいのバックマージンがはいるからです
どうしても自分で入りたい場合は粘ってください
強硬な大手メーカーでも法人契約の場合は自己加入して構わないので本来の自分の利益を主張することも大いにありだと思います
必見!!初期費用を下げる8か条
1 不動産会社や大家さんに交渉する
大本命は家賃の交渉です
家賃は初期費用に大きく影響するので家賃自体を下げる交渉が効果大です
大家さんにとっては空室の状態が続き家賃収入が減るのは困ってしまうので、家賃を下げてでも借りて欲しいところ
立地面や条件面で不利と思われる物件の場合、交渉をしたら安くしてくれる可能性があります
そもそも礼金は昔からの慣習で残っているもので大家さんによってはカットしてくれることもある
又、この礼金を家主からのADと相殺にしていることが多いので交渉の余地ありです
「家賃を下げてくれたら、契約します」
「礼金を無料にしてくれたら、すぐに入居します」
など交渉してみましょう
少しでも費用を抑えたい場合は不動産会社にカードキータイプの物件があるか、鍵交換費用が不要かを聞いてみるのをおすすめします
2 敷金・礼金が少ない物件を探す
近年では敷金0・礼金0の物件(ゼロゼロ物件)も出てきています
人気エリアや築年数の浅い物件は別ですが、初期費用が高いほど入居者が決まりにくいという暗黙の了解があるので最寄り駅から遠い場合や賃貸物件が多いエリアでは、差別化を図るために敷金や礼金を下げている物件も多くあります
しかし、こうした物件では、保証会社加入が義務付けされていたりします
保証会社に保証料を支払うことで保証人の代わりになってもらうシステムで契約時の保証料のほか毎年更新料がかかる会社もあり長く住んでいるとトータルコストが高くつくなんてこともあります
敷金0物件で注意しておくべき点は賃貸住宅の退去時に修繕費用(原状回復費)が請求されたときに預け金がないので想定外の費用がかかるという点です
ます
まずは礼金が下がらないか不動産会社と無理のない範囲で交渉してみるのも一つの手段です
3 賃貸契約の閑散期を狙う
繁忙期とされる1~3月は売り手市場なので、初期費用が下がることはほとんどありません
しかし5月のゴールデンウィーク明けから8月、10月から年末にかけては閑散期なので、交渉次第で下がる可能性も大きくなります
退去の時期が繁忙期とずれたため空室となっている“掘り出し物件”が見つかることも有りますよ
4 仲介手数料不要物件を探す
不動産会社が自社所有物を貸す物件は入居者は貸主と直接契約になるため仲介手数料が発生しません
最近は仲介手数料が家賃の半額以下の不動産会社も増えています
アパマンショップやエイブルなど大手不動産会社でキャンペーンを行っていることもあるのでホームページなどでチェックしてみるとよいでしょう
5 フリーレントキャンペーンなどを探す
フリーレントとは、入居後の一定期間の家賃が無料になる物件です
通常1ヶ月から3ヶ月程度の家賃を無料とされることが多く、中には6ヶ月間が無料という物件もあります
これは、賃貸オーナー側が家賃の値下げや空き室のリスクを長く抱えるよりは、無料期間を設けて物件を借りてもらいやすくしようというのが狙い
こうした物件を選べば初期費用を抑えることが可能になります
フリーレント物件は通常1ヶ月分程度の家賃が無料となるため一見お得ですが、一定期間内に解約した場合に違約金を払うことや、フリーレント期間中の家賃を支払うことが条件となっている物が多いです
定められた期間が経過していないと最終的に支払う金額が結果的に高くなる可能性があるので、短い期間の住宅を探している人は、契約内容をよく理解してから借りるようにしましょう
6 引越し費用を抑える・時期をずらす
引越し料金は、繁忙期かどうかで値段が大きく変わります
春休みなどの引越しシーズンを避けたり、土日ではなく平日を選ぶと費用を抑えることが可能です
時間は午後の方が安い傾向にあります。時期や日にちを調整できる場合は、安い条件での引越しができれば費用を抑えることができます
さらに、通常エレベーターのない物件での2階以上での引越しは費用が割増しになります
物件選びの際にこの点も考慮しておくとよいでしょう
あらかじめ見積もりを取って安い業者に頼む事も有効な方法です
7 クレジットカードで払う
最近はクレジットカード払いができる不動産会社も増えてきました
ポイントがたまるカードだと初期費用や月々の家賃をカード払い出来たらかなりお得です
また、初期費用などのまとまった金額なら分割やボーナス一括払いなどにしてみても
8 家具家電付き物件を探す
冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、エアコン、テレビといった家電やベッドやテーブルなど必要な家具家電付き物件を選べば購入費を抑えられてお得です
ただし家具家電付きの物件は通常の賃貸よりも家賃が高めに設定されていることが多いため、長い間住んでいるとが総額は高くなってしまう可能性があります
損得をよく考えてから決めましょう
閑散期であれば通常の賃料にプラスしてつけてもらうことも可能です
エアコンや照明、学生マンションなどでは家電製品など交渉次第ではつけてくれることもあります
不動産屋での交渉の鍵
時期やキャンペーンなどをちょっと意識するだけで、同じ物件でも数万円以上の差が出てきます
ただし最初から相場より安い場合は注意が必要です
ほかの物件より劣っていたり利便性が悪いなど、何か理由のあることがほとんどなので理由を聞いてみましょう
初期費用が低ければ低いほど良いというわけではないことは、しっかり覚えておきましょう
交渉の仕方
あれもこれもとむやみやたらと交渉したりするのは、大家さんへの印象を悪くするだけです
クレーマーと勘違いされて入居後トラブルになることを懸念して、大家さん側から断られてしまうこともあります
交渉するのは担当の不動産会社の営業になるのでまず彼らの見解を聞いてそのうえで大丈夫そうな点に絞って交渉してもらいましょう
『この物件の礼金が0になるなら、○日から契約を開始してもいい』など具体的な交渉だと成功率が上がります
初期費用の総額については、家賃の4倍~6倍程度と考えておくといいでしょう
以前は敷金2カ月、礼金1~2カ月ということが当たり前でしたが、現在では敷金1カ月、礼金1カ月が主流になっているようです
又敷金礼金0物件もあります
CMでもおなじみのビレッジハウスのように民間への払い下げ住宅を利用して格安で入居できる物件も出てきました
初期費用がない人でも借りれますよ
初期費用は入居審査後、契約前後の支払いが一般的
初期費用を支払うタイミングは一般的に、賃貸借契約後です
支払い期限は入居審査通過後、1週間~10日程度に設定されている場合が多く、支払い方法は現金、銀行振込が一般的です
不動産会社によっては、入居審査を通過し重要事項説明を受けた後に、初期費用の一部を手付金(家賃1か月分程度)として先に支払わなければいけない場合があります
万が一キャンセルした際にこの手付金が戻ってくるかどうか確認しておきましょう
まとめ
安いからと言って不動産屋の言いなりで物件を決めてしまって、多くの負荷がかかることも有ります
支払う必要のある項目の意味を理解しておくことで、良い選択ができると思います
また、わからないことがあったらドンドン担当者に聞いてみましょう
向こうもあなたが分かっていると思って話してないことも有るかもしれません
遠慮は無用です!
それでは良い部屋が見つかりますように