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不動産の仲介手数料っていくらなの?無料だとお得なの?不動産業界の公然のタブーADとは?

2020-09-08

読者の疑問

不動産の仲介手数料っていくらなの?無料だとお得なの?不動産業界の公然のタブーADとは?

こういった読者の疑問にお答えします

筆者は神奈川で20年建築関係の携わり
その後、地方都市で4年間程不動産業界で働いていました
2019年に宅地建物取引士試験に無事合格しました
業界に携わることでわかった不動産の仕組みなどを解説します

不動産の仲介とは何をするの?

仲介(媒介)とは、物件と売主・買主の間を取り持ち契約を成立させることです
仲介業者の仕事としては物件調査や、広報活動、契約条件の調整、
重要事項説明書及び契約書類の作成、
スケジュールのセッティングなど引き渡しまでの全般の業務を、当事者に代わって不動産会社が行います

さらに売買であれば売主の売却に係る手続き、買主のローン返済のプランニング及び金融機関とのやり取りの代行、登記関係を委任する司法書士事務所など各方面とのやりとり等が加わります

不動産の仲介手数料とは

仲介手数料は仲介業務に対して支払う成功報酬 
宅地建物取引業法では、不動産物件の広告をした時と注文を受けた時に、必ず「取引態様」を明示するよう法律で定められています
取引態様というのは不動産会社のその取引に対する立場(媒介・代理、自ら当事者)を表します
この「取引態様」によって、注文者(売主・買主、貸主・借主等の当事者)は不動産会社へ支払うべき報酬が変わってきます
又不動産会社は売買や仲介の依頼を受けた場合、「媒介契約」を締結し、媒介契約には「報酬(仲介手数料)を明記しなければならない」と定められています
売買や賃貸の契約が成立しなければ、報酬は発生しません
宅建業法は依頼主保護のため重要な法律になります
もし報酬上限が決まってなければ人気物件などはべらぼうな報酬が発生する懸念があります
それに加え前もって報酬を明示しなくてもよかったら後で高額な費用を請求されても用意できなかったり、びっくりしますよね

ココに注意


契約が成立した時点で仲介手数料が発生するので、成立した後にその契約を解約する場合には仲介手数料を請求されるケースもあります
手付金による解約をした場合や、違約による解約となった場合は、物件の引き渡しがなくても仲介手数料を求められることがありますので注意が必要です

仲介手数料の法定上限額

賃貸の場合 

宅建業法ではもともと「原則0.5ヵ月分」 1ヵ月分は“上限”
そもそも宅建業法で仲介手数料(賃借契約)として請求できるのは「原則賃料の0.5ヵ月分(正確には賃料の0.55ヵ月分)」そして「上限1ヵ月(正確には賃料の1.1倍)」と定められています

賃貸の仲介手数料は最大で賃料の1か月分×消費税
ただし、この最大金額は、宅建業法によればあくまで「依頼者の一方 から受けることのできる報酬の額」仲介業者が受取る仲介手数料の合計金額が賃料の1ヵ月分以内なら、依頼者の承諾があれば、どちらからいくらもらっても良いという解釈になるのです
この「依頼者の承諾」というのは、具体的には賃貸の媒介契約書の中で「報酬」について「賃料の1ヵ月分を支払うことに承諾する」といった文面が記載されており、契約が交わされた時点で同意したと見なされることが多い

(例)家賃10万円(税抜)のマンションの場合=最大で11万円
  *税込み11万円

売買の場合

物件の売買価格が
400万円超えの部分 :対象金額の3パーセント+消費税
200万円超~400万円以下の部分 :対象金額の4パーセント+消費税
200万円以下の部分 :対象金額の5パーセント+消費税

売主または買主とだけ取引するものを片手取引と言い、仲介取引の場合手数料を請求できるのは片方だけになります
つまり片手取引の場合に仲介手数料を無料にしてしまうと、仲介業者はタダ働きになってしまうのです
売主から依頼を受けた物件を買主を見つけて両方と取引すると両手取引となり両方から仲介手数料を請求できます
片手取引の場合の2倍になります
売主がその不動産業者であるというケースでは仲介手数料は必要ありません
ただし関連会社などが売主で販売時に仲介手数料を取る場合もありますので要注意!!です
また他の不動産会社が入ると仲介手数料は発生するので見落としの無いようにしましょう

上記の内容はあくまでも法律上の上限となります
金額にもよりますが多少の割引は可能でしょう

いずれにせよごく特殊な例外を除いて、本当に手数料無料で仲介してもらえることはないと考えておきましょう

ココに注意


低廉な空き家等の売買に関する特例
低廉な空き家等の売買などで通常と比べて現地調査などの費用が発生する場合、空き家の売主または交換をする者から受け取れる仲介手数料は、上記の上限額と現地調査などの費用を合計した額(ただし、上限は18万円+消費税)までとなります
仲介手数料については、事前に両者間で合意する必要があります

仲介手数料無料や半額の仕組み

フランチャイズのキャンペーン

大手不動産会社はフランチャイズであることが多くフランチャイズの会社のキャンペーンで連動して行う場合があります
春頃や夏休に行うものが多くなります
この時期は業界の書き入れ時で多くの客を自社に呼ぶためのキャンペーンで薄利多売でおこないます

不動産屋独自のもの

地場の不動産屋などは大手に対抗するために独自で行うことも多い
下記にタイプ別に分けてみました

賃貸物件大家負担

広告料という名の手数料が横行
仲介業者に「AD(エイディー)」と呼ばれる広告料名目の手数料を家主が負担する
このADがあるため仲介手数料を割り引いてくれることがある

参考

ADとは実際に広告を出すための費用ではなく、紛うことない手数料なのですが、宅建法上「手数料」としては請求できないので広告料を名目にしています
ちなみに、ADは少なくて1カ月、多い場合だと3か月を超えることもあります

仲介業者は、店舗に訪れたお客にAD付の物件から優先して案内します
もちろん、同じ仕事をしてもADがもらえる物件を優先したほうが、自社の売上が伸びるからです
多くの不動産屋ではいわゆる成果報酬と呼ばれるインセンティブ(一般的に営業や販売の仕事をする人向けの、成果に応じて基本給以外に報酬がもらえる制度)を採用しているのでお客様そっちのけで強引に物件を紹介してくる営業マンも多くみられます

 

自社管理物件(持ち主が別)

家主や不動産本位な理由からです
自社物件の場合や管理物件の場合で早く入居者を見つけたい場合や、空室になってから長い、人気のない物件、大家がしっかりとしている(要するにうるさい)など様々な理由があります
こういう理由の場合は物件的に劣る場合が多いので安くなったからと言って喜ぶのは要注意

自社物件

自ら貸主や売主の場合は仲介ではないのでそもそも仲介手数料は取れません
仲介手数料は元から無料なので取引形態に注意しましょう

【結果】無料だとお得なの?

不動産会社も商売としてやっている以上利益を出さなくてはなりません
そして不動産業の主力は仲介手数料ということになります
主力商品である仲介手数料が全く無いとなると別の主力商品がないと会社自体の存続が難しいことになります

値引きがあるには理由があるのです
人気のある格安物件なら値引きなどしなくても直ぐに契約が決まります

もちろん初期経費が安くなると良いですね
しかし安いだけで決めずにどうして安いのかを内覧時にしっかりと見てみましょう

居心地の悪い物件であればすぐに転居することにもなるか、いろいろな我慢をする様になるので要注意です

きちんと選んで判断することが必要です

条件さえ合えば仲介手数料無料はお得です

お得情報

ビレッジハウス・マネジメント株式会社は2017年に制度廃止された雇用促進住宅を買収して、低価格賃貸住宅「ビレッジハウス」として入居者の募集を開始しました
知名度はまだ高くありませんが敷金礼金仲介手数料無料で初期費用かなりお安く入居できます

 
 


 
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