読者の疑問

不動産競売について知りたい
こういった疑問にお答えします
筆者は建築関連で20年働いた後
不動産会社で4年勤務
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
この経験を生かして執筆しています
不動産競売とは
分かりやすく言えば借金の代わりに不動産を売って代金の足しにするということですが
裁判所で競売されるので通常の流通物件の相場より安く売られることになります
競売物件が安い理由
路線価価格をもとに市場価格を求めた金額から
競売特有の特殊性を反映させた金額となり
おおよそ市場価格の7割~8割前後で取得できます
競売特有の特殊性とは
1 内見が出来ない
まず建物の内部を見ることが出来ない
通常の売買であれば物件の内部を見ないで購入することなどあり得ません
一部投資家が信頼するエージェントに頼んで内見せず購入することはありますが
特例でこの場合はエージェントがしっかりと内部を見て調査をしています
2 瑕疵担保責任がない
競売不動産には民法上の瑕疵担保責任の適用がない
もしも雨漏りしていたり、どこかが壊れていても誰にも責任の所在はなく、落札者が自分で修理する必要があります
ちょっとしたことならいいのですが、構造に問題があって実は住めないような物件でも誰にも文句は言えません
3 賃貸人等の占有者や不法占拠者(居住者とは限らない)の存在するリスク
人が住んでいる場合に退去に時間が掛る場合がある
不法占拠者がいる場合、今は法律で強制執行の手続きが簡素化され落札から最短で2か月かからず強制執行が可能となりました
4 内部の荷物の処分費用がかかる
動産が残っている場合があると所有権者同意を得て処分する必要があります
競売で落札したからと言って内部においてある動産の所有権はありません
元の持ち主に処分してもらうのが一番よいのですが、不動産を競売にかけられた時点でその所有者は処分するお金がほぼ残ってないことがほとんどです
そこで同意を貰って落札者で処分することになります
5 強制退去の場合裁判所に撤去費用として多額の費用がかかる
占拠者との話し合いがうまくいかず強制退去を実地する場合、費用は落札者持ちになります
引越業者が梱包して運び出す費用と保管や処分費用が掛かります
このため予納金として何十万円という額を先に納めなければなりません
6 前所有者の債務の支払いが必要な場合がある
前所有者の債務が残っていて滞納している家賃やマンションなどの管理規約によっては水道光熱費などまで負担を求められることもあります
7 売却決定の公告から入札までの期間が短い
不動産は通常であればじっくり考えて購入するものであるが競売の場合は公告がされて物件の詳細が分かってから2週間~1か月程で入札しなければならない
これらの理由により相場より安くなるのです
裁判所のほうで調査した書類が開示されますがあくまでも調査時のもので競売で落札するのは半年以上先になるので引き渡し時には変わっている可能性もあります
ましてや裁判官は法律のプロではあっても建築のプロではなくやはり重大な欠陥が見つかることも懸念されるのです
ただし中には何の悪いところのない優良物件だったなんてこともあります
不動産競売の流れ
滞納後の競売終了までの流れ
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1債権者による競売申し立て
お金を借りた者(債務者)が約束の期日までに弁済出来ない場合に債権者が不動産の強制売買を申し立て、裁判所が審査して適法と認めるときは強制競売開始の決定をする
その決定において債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言する
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2差押
競売開始の決定は債務者に送達され、裁判所書記官は直ちに差押の登記を管轄登記所に嘱託しなければならない
執行裁判所は執行官に対し不動産の形状、占有関係その他の現況について調査を命ずる
命令を受けた執行官は「現況調査報告書」を作成する
執行裁判所は当該不動産の売却基準を決定するため評価人(通常は不動産鑑定士)を選任し評価を命ずる
評価人は必要事項を記載し、不動産の形状図面、周辺概況図面を添付した評価書を所定の日までに執行裁判所に提出
これらの書類をもとに執行裁判所は売却基準額を決める
裁判所書記官は総合的には判断して「物件明細書」を作成し売却実地の1週間前までに一般の閲覧に供するか
インターネット上で提供を受けることが出来るような措置を取らなければならない
要約すると競売の決定通知を債務者に送って、競売日までに当該不動産の調査を行い資料を作成したものをもとに競売の下限価格を決定して競売の概要をネットや新聞などで告知し閲覧できるようにするという事になります
仮に無視していても鍵屋さんも一緒に来て開錠して中に入ります
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3売却手続(換価)競売
この段階が執行手続きのうちの『競売』に該当する部分
落札者がいれば競売が成立することになりますが例えば1番目の落札者が辞退した場合は次順位の落札者に権利が移ります
辞退の場合繰り下げになるのは2番目までで、2番目の権利も競売中に次順位落札人であることを申し出なければならない為
2番目の人に権利が渡ることは非常に少ないとも言えます
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4配当等
競売代金を債権者に弁済する
債権者に弁済して残金があれば債務者に返金されます
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自宅が競売になるときの心理状態
『自宅が差押られた!
借金の保証人になった!
事業がうまくいかなくて借金のかたにとられた!
まずこの記事を見ているあなたはこれまでとても大変だったと思います
自宅が競売にかかる、どうにもならない事態が訪れたのだと推測できます
心の砦として不動産はとても大きなウエートを占めるもので簡単に手放すことが出来ないものだからです
ましてやこのような事態になったのはちょっとしたボタンの掛け違いや不注意が積み重なった結果だと思います
中には騙されたり、裏切られたりなどもあり債務者である多くの人が疑心暗鬼になっています
人に頼ってはいけないと思い込み、最初はいろいろと自分で考えたりするのですがあまりにもたくさんのことを考える必要があり
焦燥して心身ともに疲れ果てて相談に見える方が多いのです
貴方にとってこれから続く長い人生で、こんな悪いことはそうそうないと思います
現状は周りの目も気になり、蔑まされているような、憐みの目などに耐え切れないという方もいます
恥ずかしくてこそこそとしなくてはいけない状況で心が重く息苦しいという方もいます
起きてしまったことは仕方がないので今後を考えていきましょう
家がなくても何とかなります
時間が解決してくれるます
気になるのであれば別の地域に移って心機一転で出直して早く嫌なことから脱出したほうがいいと思います
競売の連絡が来ているけどどうしたらいいの?
【競売決定の公告】がなされると、自宅に不動産業者がたくさん来ます
又ポストへ『売却しませんか』などの手紙が入るようになります
1部上場の大手不動産会社から聞いたこともない小さな個人業者までいろいろです
特に都会では競売専門業者がいるので頻繁に連絡が来ることになります
貴方がやるべきことは
- 競売を取消すためにお金を貸してくれる人を探す
- 任意売却をする
この2択で考えてみましょう
何もしなければ刻一刻と競売の手続きは進んで行きます
任意売却とは
不動産の競売が決定してから入札(開札)日の前日までは代金を納付して競売を差し止めすることが出来ます
競売で落札されるより相場に近い金額で売却が可能で借金の額によっては余剰金が出る可能性が高くなります
仮に1000万の借金があって差押で競売になった場合で競売の基準額が500万だとすると任意売却で850万なら差し止めできる可能性は大きいでしょう
ただし時間が限られているのでできるだけ速やかに物件を売らなくてはなりません
問題なのはどこに頼るかです
●地元の力のない小さい不動産だと売ることが出来ない
●どこに頼むのか(一般媒介か専任専属か)
まとめ
もし迷っているのなら一刻も早く行動することをお勧めします
緊急事態なので人を頼ってもいいです
一番高く売ってくれる業者に頼んでみましょう
私のおすすめはやはり慣れている業者で一定の知識がある人
まずは話を聞いてみてよいところを選びましょう
居座って心を削られるより一刻も早く忘れて新しい道を歩めるようにお祈りします
不動産売却相談できるサイト